人生経験値2023.08.06
先日から積読状態だった本の整理も兼ねて処分するものとそうでないものを分けているのですが、その際、目を通していなかったものに軽く目を通すのと同様、再度読み返しているものもあります。
そのなかで「これは最後に、もう一度読んだら処分しよう」と思って読み返したところ「これはまた読み返したくなる類の本だ」と思い、手元に残しておくことにしたのがカラテカ・矢部太郎さんのマンガ「大家さんと僕」
偶然にも4年前の同じ日にfacebookに「大家さんと僕」についての投稿をしていたことに気づき、個人的にかなりビックリしたのだけれど。
でもおかげで、この本をいつ買ったのかハッキリわかったから、よかったのですが。
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「大家さんと僕」を久しぶりに読み返してみて気づいたのが、この本を買ったときよりも少なからずの人生経験値を積み上げてきたのだなということ。
正直、以前読んだときは、この作品がここまで人気があったことがイマイチ理解できなかったのですが、これは年齢を重ねれば重ねるほど大家さんの気持ちや心情が理解できるようになる作品なのだなと。
それは矢部さんと大家さんのやりとりがほっこりするだけではなく、大家さんの言葉ひとつひとつに重みがあり、とてもリアリティのある作品なのだなと。
そしてようやくわたし自身が、そのことに気づけるようになったのだなと。
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わたし自身、2017年の終わりにヘルニアを患ってからというもの、常に左足には痺れがあり、一時期は階段の上り下りもできず、ふつうに歩くこと自体がとても困難な時期もありました。
いまは一段一段ゆっくりではあるけれど、とりあえず階段の上り下りはできるようになったし、歩くスピードはふつうの人とくらべたらかなりゆっくりとはいえ、それでも自分の足で移動すること自体のハードルはとても下がりました。
とはいえ長時間立っていること(また座っていること)は、どうしても腰に負担がかかってしまうので、日常生活では立ったり座ったり寝転んだりと定期的に体勢を変えるように気をつけているけれど、こういうのって自分が実際に経験しなければ、想像すらいきつかないことなんですよね。
またわたし自身、両親の他界をキッカケに亡き父と同じ投資の世界に足を踏み入れましたが、そこから新たに見えてきた世界というのも実際にあります。
そしてこれは偶然なんですが、初めて投資の世界に恐る恐る足を踏み入れたのが、まさに4年前なんですよね。
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正直、いいことばかりじゃないどころか、つらいことや苦しいことのほうが圧倒的に多かった4年間だったし、いまも決してラクなわけではないけれど。
こうした経験は自然と人生経験値として積み上がり、何の進歩も成長もしていないようでいて、目に見えないところでしっかり血肉になっているのだなと思いました。
それにしてもこんな名作だったとは…
やはりお父さまが絵本作家の矢部太郎さん、お笑い芸人としての才能はないかもしれないけど(ごめんなさい)、こちらのほうの才能はしっかり受け継がれていたのですね。
これはまさに大人の絵本だ。